退職まで残り1ケ月を切ったタイミングで本社から社長が来た。もちろん目的は僕じゃない。
その日の夜、社長から呼び出しがかかった。社長、幹部役員数名、そして僕。どう考えてもおかしな構図。
結論から言うと、グループ会社に異動してあと1年だけ続けてみろ、ということだった。
迷った。本気で迷った。従業員600人超のトップに立つ社長が、入社して半年の平社員に直々に言うのだから。 こんな社長はなかなかいないだろうし、こんなチャンスもなかなかない。気持ちが動転して、帰って妻にすぐ相談した。この機会に挑戦したいと。
妻は言った。 「あなたが決めたことなら、私は賛成する。 でもドイツに行ったとき、人にどうこう言われてドイツ行くのをやめたりしたかな?」
僕は我に返った。決めるのは自分。本当に自分がやりたいと思ったことをしよう、と。めまぐるしいビジネスの世界に身を置くことは必ず身になる。とてつもなく成長できるのは、経験していなくてもわかる。
でも僕は、それが遠回りだろうがなんだろうが 自分は自分のやりたいことをやろう、と思った。
気づかせてくれた妻に感謝。
Was möchtest du? (あなたは何を求める?)
ではまた。 Tschüß!